2012年01月

2012年01月09日

誕生

12月28日17時50分、ついにポコが誕生しました。

十月十日と言っても、妊娠が確実にわかってから半年くらいでしょうか。

長いようで短かった妊娠期間。
いろいろ悩んで、時には授かった命に疑問を抱いた時もあり、振り返るとそんな悩みも命授かったからこそ。

人間一人育てるってのは、悩みつきもので、それはきっと妊娠中も一緒なんだよね。きっと無駄な苦悩じゃないし、悩んだからまともに出産の日に臨めたような気がする。

さて、出産はというと、38週目の検診の時点でポコの体重が3500くらいになってるかも、という巨大児傾向の診断結果により、その日その場で39週目の誘発分娩の計画を勧められて返事をすることになりました。

いや、返事は私一人で即決出来るものじゃないからと、慌てて旦那さんに電話。

まさか陣痛!?と慌てて出た旦那さんは
「母体と赤ちゃんが少しでも楽な方が良いべ~」
と誘発分娩を承諾。

前日入院し子宮口にバルーンを入れて、翌日に陣痛誘発剤を点滴しながら出産を促すという方法でした。


前日PM2時に入院しバルーンを入れました。これもけっこう痛い。というか異物感が凄い。
バルーンに管がついてるから、タンポン入れてる感じに近くてトイレとか座る時が居心地悪い。

若干お腹も痛くて、面会時間ギリギリまで旦那さんがついててくれた。

翌日8時30分、陣痛促進剤をブドウ糖と一緒に点滴開始。

最初はけっこうゆっくりなペース。9時30分になると立合いの旦那さんが来て、陣痛が来るのをひたすら待った。

お昼は分娩室で。
まだバルーン入れっぱなしだから座れなくて、旦那さんが食べさせてくれた。まさかの親子丼(笑)

自然にバルーンは抜ける予定だったけど、いっこうに抜けず、でもお腹の鈍痛がややツラくなってきた午後1時過ぎだったか、担当医の先生からバルーンを抜く処置が。

だいぶ下りてきてるんだけどね~。と。

これがまた痛い。

さらに強制破水。鉗子みたいな長い鋏みたいなのでパツン。ジャバーっと、大量の水が流れ出たのを感じた。
でもツラかったお腹の張りがやや楽になった。ふぅ…

処置中は退室させられてた旦那さんが戻ってきてから見てしまった抜いたバルーンは血まみれだったらしい…

そこからが本番といった感じ。
本気で痛いとこんなに汗かくんだ!って、冷や汗ダラダラ。盲腸を思い出したけど、比じゃない。盲腸やったときにお産はこれ以上ときいていたがっ。比べる対象にもならん!

生理痛のヤバいのの、さらにヤバい状態。生理痛+下痢+盲腸+…あ~考えるだけ無駄だ。

腕動かすに気にしてた点滴もそれどころじゃなくて、ただただ、旦那さんの手握ってた。

目もずっと閉じてた気がする。陣痛の波がおさまった時に、かろうじて目が開けられて、旦那さんが水分補給させてくれた。

でも出産にはまだまだ。何時間かを旦那さんと二人だけで痛みを耐えて、何時間かごとに看護師さんが促進剤を速めに来て、様子を見にきた。

何故か寒気が酷くて、寒い寒いって、体にかけてもらっていたタオルを追加。さらに旦那さんがコートを追加でかけた。

落ち着いて自分が着てる病院着を触ったら、寒気が汗でびしょびしょに濡れた服のせいだとわかったけど、着替える余裕なんてないし、汗は止めどなくでて、最後まで服はそのまま。

おいおい、まだなの!?出産ってまだなの!?って、痛みも声出さなきゃやってられなくなってきた頃、先生が来て内診。

頭は働いてるけど、たぶん半分失神してるのか、体が動かない。横向きになってる私に仰向けになって~って言われたけど、直ぐには出来なかった。

ここらでやっとこさ6センチとかなんとか話してる。

手足が若干痙攣してた。


また暫く格闘。痛みと格闘してるんだか、旦那さんの腕と格闘してるんだか、旦那さんの手を押したり引いたり叩いたり、まぁとにかく乱暴を尽くしたらしく、筋トレになったと旦那談。

次の内診が来て、進行はまだ。
促進剤速めてみて、母体の希望きいて帝王切開も…と旦那さんと主治医が話してた。

私の手を握り直して、「腹切るか?」と旦那が聞いてきた。
内心、しばらく前には「いっそ腹切ってしまったらこの陣痛から解放される!」
とか思ってた私だったけど、何故かここにきたらむしろ意地でも出す!って激痛の中で闘志を燃やし、首を横に振るという行為に至った。

その闘志と促進剤のペースアップでやや進行し始め、じゃあ、そろそろいきみ始めてみようか、呼吸練習してきましょう、と、ようやく出産準備モード。

何も準備無しで来た旦那も、看護師さんに指示されながら、私の陣痛計測器の数字を見ながら、自分の旦那ながら上手くリードしてくれるなぁと思った。

子宮口の開きが8センチを突破した頃か、主治医か看護師さん達が常時分娩室にいた。

この頃から、もう痛みというか、とにかく出ろ!って感じで半分痛みに関してはマヒしてる感じだ。

そして、陣痛自体も波がはっきりしてきて、陣痛がおさまってる間に失神とも睡眠ともつかない意識が飛んでる数十秒(?)があった。
何度かは夢さえ見てた。

で、なぜか「カチューシャ~♪」とAKBの歌が頭の中で流れたり、あ~今何時なんだろうとか、この痛みスイカを鼻から出すか?とか、意外と頭は痛みとは裏腹に冷静でのんき。


何回いきんだかわからないけど、ガチャガチャと周りが騒がしくなり、麻酔されて会陰切開されて、旦那さんが私の頭の方に移動させられ、よく聞く

「赤ちゃんの頭見えてきましたよ~!」

というセリフを聞き、最後の最後、長~くいきんだ瞬間、

「あ~出た~」

って感覚がきた。

で、よく出産の映像で見るような生々しい赤ちゃんが目に入った。

「はい!お母さんっ、出てきましたよ~。元気ですよ~」

と、ようやく頭が本当に現実と一致して、もう何だかわからない涙が溢れて、子供の頃以来の泣きっぷりをした。
うえ~んっ!って。

さっきまでの冷静な頭は逆だったんだよな。痛みに混乱してたんだなぁ…。きっと頭がまともに陣痛と向き合ってたらおかしくなる。

「赤ちゃんの手握ってあげてください」

と言われ、まだペタペタと血もついた小さな手を握ったら、握り返してきた。

また私は大泣き。

頑張った頑張った、お疲れさまと、頭上から旦那さんが頭ポンポンしてくれた時に、チラリと顔が見えて、目がウルウルしてた。

看護師さんと赤ちゃんと旦那さんが分娩室から出ていき、体洗いに行ったらしい。

主治医と看護師さん一人、私が残り、私は胎盤を出すという第2の痛みを終えて、先生と二人だけになり会陰切開の縫合やらを静な分娩室で受けた。

天井に設置されたテレビで体現れて身支度してもらってる赤ちゃんが映されてた。

主治医の先生が大変穏やかな先生で、ゆっくりと
「検診よりも小さめでしたね。元気で生まれて良かったですね~」
と縫合しながら話しかけてきたら、また涙出てきて、涙拭こうとしたら無意識に握ってたハンカチが旦那さんのハンカチで、それでまた涙が出た。

あの陣痛の痛みには1滴も涙なんて出なかったのに、ここにきて…
感動と安堵と、とにかく込み上げるものがあったんだなぁ。


全て終わって、2時間はブドウ糖の点滴をされたまま分娩室で安静に。
旦那さんも家族に報告終えて戻ってきた。

ここでまた夕飯(笑)
昼間はバルーンだったが、夜は切開の傷とまだ出口が…。やっぱり旦那さんに食べさせてもらう。

白米が異常に美味しかった。

でもさすがに食べきる力はなく、残りは旦那さんに。
あとは旦那さんが買ってきたフルーツミックス。なんだかんだ、こういう時は甘い飲み物が一番しみます。

2時間後、看護師さんが来て、トイレ行きましょと促され、分娩台から降りたら動悸息切れ立ち眩み。

ドクターストップならぬナースストップがかかり、もう1時間の分娩室待機…

ここでトイレまで自力で歩けないと入院室に行かせられないらしい。

6時頃に終わったお産、だったけど、何だかんだで9時過ぎまで分娩室にいた。

天井のテレビで旦那さんと年末の番組を見ながら、ボヤ~。
さすがの旦那さんも途中ウトウトしてた。

血が苦手だの何だの言っていたけど、自分で立合うと言ったし、よく頑張ってくれたなぁ…って思う。

私は痛いし辛いし苦しいしで頑張って当然だけど、こういう、本当に何もできない状況でそういう姿の奥さん相手に痛み分かち合うこともなく12時間付き合うのも、きっと楽でない。

当初、立合いなんてって思ってたけど、終わったら居てくれて良かったと思う。

いなかったら、あの時二人っきりのとこ一人?無理無理無理っ!

呼吸だって、自力であんなに冷静に深呼吸とか出来たか?

腰ナデナデも何もないなんて、私そんな強くない!
立合いいらないとか、私、愚か過ぎだろって。


と、有り難みを噛みしめながら横になっていたら時間になった。

何とか立って歩ける。

点滴を半分杖みたいにしてヨタヨタ歩いて分娩室をあとにして、さて部屋に。

その前に新生児室で5分ほど、赤ちゃんを抱っこする時間があった。

こいつがっ。

まじまじと見つめたら、唇がそっくりで思わず笑ってしまった。
出産後、初、旦那さんと私と赤ちゃん。

これが家族ってやつなんだね。

赤ちゃんにも「お疲れさん」と言って、この夜はお別れ。

入院室に着いて、やっとこさまともなベッド…

「はぁ~っ」

って温泉に浸かった並のため息が。

看護師さんから部屋のことや翌日の話しがあって、もにゃもにゃと聞いて、旦那さんと二人っきり。

お互いを労りつつ、出産終えた安堵を二人で感じつつ、何となくまた涙が出て、ギュ~してもらってから、この日は別れた。


その後はストンと爆睡。



出産は鼻からスイカとは思わなかったけど、陣痛ってすげぇなぁって思った。

でもあの感動も凄い。

そのすぐ前まであった凄まじい痛みが吹っ飛ぶんだもの。過去のことみたいに。


さて、この痛みと感動を忘れないように、これから一人の人間を頑張って育てよう。


drecom_ko_hi_noki at 15:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)
最新コメント